スマート契約イメージ
スマート契約は、電力自由化のスタートで東京電力エナジーパートナーがスタートさせた新しい概念。スマート契約はこれまでと何が違うのでしょうか。そしてどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

1 過去1年のピーク使用量で電気料金が変わる

スマート契約とは一言で説明すると「過去1年のピーク使用量で電気料金が変わる」という契約です。その意味を理解するためには、先ず電気料金の仕組みを理解する必要があります。

2 電気料金はどうやって決まる?

そもそも電気料金ってどのようにして決まるのでしょうか?

電気料金は基本料金+電力量料金+その他で決まる

毎月何気なく支払っている電気料金。内容を見てみると、ブレーカーの容量によって決まっている基本料金と、実際の使用量に応じて変わる電力量料金という内訳になっています。

これまでの料金体系の場合、基本料金はブレーカー容量によって固定でした。例えば「ブレーカー容量が大きいと電気をあまり使わなくても基本料金は高額になる」といった具合です。

この基本料金を、毎月の実績に応じて変えようというのがスマート契約。実際に使った量によって変動するので「実量制」とも呼ばれています。

3 スマート契約だと?

使った量によって基本料金が変わるといっても、どうやってその基準が決まるのでしょうか。

スマート契約のプランを利用する場合、使用電力量を計測するメーターが「スマートメーター」であることが必須です。スマートメーターとはどんなものなんでしょうか?

30分ごとの使用量を計測するスマートメーター

これまで一般家庭ではアナログ式メーターが多く利用されてきました。アナログ式メーターの場合、月に1度検針員が各家庭を回り、1か月あたりの電気使用量を計る仕組みでした。

それが今回の電力自由化をきっかけに、一般家庭ではスマートメーターへの切り替えが進んでいます。これまで1か月単位だった電気使用量が、スマートメーターでは30分ごとに。人による検針ではなく通信式なので、検針員が巡回する必要もありません。スマートメーターとは、30分ごとの平均使用電力量を自動的に計測できるメーターなのです。

30分ごとの平均を計測するので、仮に消費電力の大きな電化製品を同時に使ったとしても、使用時間が短ければ使用量はそこまで大きくなりませんよね。スマート契約による基本料金は、このスマートメーターを活用することで決まります。

基本料金=過去1年間のピーク電力をもとに決まる

スマート契約の基本料金は過去1年間のピーク電力をもとに決まります。「ピーク電力」という言葉も聞き慣れない言葉ですね。

スマートメーターでは30分ごとの使用電力量を計測しています。ピーク電力とはその月内に最も多く電気を使った30分間の数値のことを言います。

スマート契約における契約電力は「スマートメーターで計測した過去1年間(その月と前11か月)の各月のピーク電力のうち、最も大きい値」となります。基本料金は「その契約電力に料金単価を乗じる」ことにより決まり、あなたの電気の使い方次第で、基本料金が変わるんです。

4 メリット

使った量によって基本料金が変わるスマート契約。電気を上手に利用することで、基本料金を下げられるというメリットがあります。消費電力の大きい電化製品でも、同時に使用しないなどの工夫次第で基本料金を下げることが可能。

これまでは電化製品の使い方を工夫しても、基本料金はブレーカー容量によって固定でした。そのため節電・節約効果も実感することも難しかったのが実際のところ。

スマート契約だと目に見えて変動するので、より一層節電意識も高まりますね。

5 デメリット

スマート契約にはデメリットもあります。

これまでのブレーカー容量による契約では、電気を同時に使いすぎるとブレーカー容量をオーバーして、ブレーカーが落ちていました。オーブントースター、ドライヤー、エアコンなどいくつかの電化製品を同時に使うと、ブレーカーが落ちて家中真っ暗! なんてこと、皆さんも一度は経験されたことがあると思います。もちろん、私も経験あります(笑)

これは「電気の使い過ぎ」をブレーカーが知らせてくれていたんですね。

ところが、スマート契約ではこういったブレーカー容量の上限のようなものがなくなります。ブレーカーが落ちることもなく、自分が好きな時に好きなだけ、電気を使うことができるんです。すると使用電力量が増えてしまい、基本料金が高くなるという結果に! 「ブレーカーが落ちなくて便利」どころの話ではなくなってしまいます。

さらに、スマート契約では「過去1年間のピーク電力のうち、最も大きい値」が基本料金の基準に。つまり、電気を使いすぎて高くなった基本料金は、その後1年間変わらないということになるんです。その間、いくら工夫して上手に電気を使ったとしても、基本料金は高いまま。天井知らずなので、気を付けないととんでもない基本料金になってしまう可能性も! 

スマート契約では、これまで以上に意識して電気を使うことが重要です。

6 電気の使い方を知ることが最初の1歩

東京電力が新しくスタートした、スマート契約。お得に利用するコツはズバリ! 電気の使い方を知ること。

今まで電化製品の消費電力ってあまり意識することもなかったかもしれませんが、スマート契約ではこの消費電力がカギになります。家にある家電の消費電力を知って、同時に使わないなど意識して使えば、基本料金が無駄に高くなることもありません。

工夫すれば基本料金に反映されるスマート契約。これまで何となく電気を使っていたのであれば、これをきっかけに「電気の上手な使い方」を考えてみるのもいいですね。

東京電力エナジーパートナーのその他の新プランについてはこちらも参考に
何が変わった? 東京電力エナジーパートナーの新しい料金プラン

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