あなたは新電力という言葉を聞いたことがありますか?2016年4月から電力小売の自由化がスタートしたことで、私たちは新電力を選べるようになりました。では、新電力にすることで一体何が変わるのでしょうか?ここでは新電力がどんなものか、メリットやデメリットなどを見ていきましょう。

新電力とは?

新電力とは、東京電力や関西電力といった従来の電力会社以外の電力会社のこと。2016年4月からスタートした一般家庭向けの電力自由化ですが、実は工場や規模の大きな商業施設に対しては既に始まっていた制度なんです。そのため、新電力と呼ばれる会社は、家庭向け以外の会社も含めると500社以上も存在するんですよ。

なお、一般家庭向けに電気を販売する事業者としては、2016年3月25日時点で266社が登録されています。では、新電力と言われるものにはどのような業種の企業があるのでしょうか。

新電力はエネルギー系だけでなく、飲食系や自治体など幅広い

電力自由化に伴って、様々な業種の企業や団体が電力小売部門に参入しています。多い業種としては、石油関連企業やガス会社などのエネルギー系。これらの企業は燃料を調達しやすく、発電所を建てて発電しているところも多いんです。

電力自由化イメージ
また、携帯電話会社などの情報通信系も多くの企業が参入している業種。各企業が持つ情報通信技術を活用して、省エネにつなげるといったサービスにも期待できそうです。

他にも鉄道会社や商社、金融関係や不動産関係、コンビニや小売・飲食系、生協や組合、地方自治体など、多くの業種の企業・団体が参入しています。それぞれ、独自のサービスや異業種との提携など、今後の展開が楽しみです。

新電力はどうやって電気を供給している?

ところで、新電力ってどのようにして電気を供給するのでしょうか。

新電力の中には独自に発電所を持たないところもあります。つまり、自分たちで発電はしないけれど、電気の販売をするということ。このような場合、どうやって電気を供給するのでしょうか。

他の企業から電力を供給してもらう

あまり知られていないかもしれませんが、東京電力などのいわゆる地域電力会社以外にも、発電をしている企業はあります。電気を作る発電については、以前から自由に新規参入ができたためです。

独自に発電設備を持たない新電力は、こういった発電事業者から電気を買い取って、一般家庭に供給する方法をとっているところもあります。

工場などの余剰電力を買い取る

地方自治体の清掃工場や大規模な工場には、自家発電をしているところもあります。そういった工場では、発電したけれど利用せずに余った電力が発生することも。これを余剰電力と言い、買い取ることができるんです。

こういった余剰電力を集めて販売する新電力もあります。

発電所を持っていれば自家発電も

もちろん、自社で発電所を持っている新電力もあります。火力発電などの燃料を使って発電するほか、風力や太陽光といった再生可能エネルギーによる発電など、様々な発電方法があります。

新電力にするとどんなメリットがあるの?

では、新電力に切り替えるとどんなメリットがあるのでしょうか。

メリット1. 電気料金が安くなる

まずはなんといっても、電気料金が安くなることが挙げられます。

これまでは会社を選ぶことができず、料金プランの選択肢も限られていました。競争相手がいなかったため、電力会社の都合に私たちが合わせるしかないという状態だったわけです。

しかし、電力自由化がスタートし、多くの企業が参入。それにより価格競争も激しくなっています。電気は暮らしに欠かせないものだからこそ、安くなるのは嬉しいですよね。

メリット2. 価値観に合う企業を選べる

これまでは、風力や太陽光など再生可能エネルギーで発電された電気を使いたい! と思っても、使うことができませんでした。しかし、これからは自分の価値観に合った企業を選べるようになります。

電力自由化というとどうしても料金面ばかりを見てしまいますが、発電方法など料金面以外の部分にも注目してみると選択肢が広がります。

メリット3. ポイントサービスとの提携も

新電力では、TポイントやPontaポイントといったポイントサービスとの提携も進んでいます。普段からよく使うポイントサービスと提携している新電力を利用すれば、効率よくポイントを貯めることが可能に。電力会社を選ぶ際には、ポイントサービスの有無もチェックしてみてくださいね。

新電力のデメリット

これまでメリットを見てきましたが、デメリットもあります。

デメリット1. 電気代が高くなる可能性も

家族構成や家の設備(オール電化など)によっては、今よりも電気代が高くなることもあります。「電気代が安くなる」という広告の文字だけで判断するのではなく、詳細な内容まで確認してくださいね。

デメリット2. 解約する際に違約金を取られることも

会社やプランによっては、解約時に違約金を取られる場合も。たとえば、契約年数が決まっているのに期間内に解約したり、セット割の対象となっているものを解約した場合など、違約金が発生するケースがあります。

契約する際には条件をきちんと確認することが大切です。

デメリット3. 紙の検針票が有料の場合も

毎月の電気使用量をお知らせしてくれる検針票。会社によっては紙の検針票が有料というところもあります。そういった会社はインターネットを利用すれば無料になるので、ネットを利用するようにしましょう。

デメリット4. 支払方法に制限があることも

これまでは口座振替・クレジットカード払いなど、支払方法を自由に選ぶことができました。しかし、会社によっては「口座振替のみ」など、支払方法が限られている場合も。ここも確認しておきたいポイントです。

デメリット5. 倒産の可能性がある

これは一番気になる部分かもしれません。非常に多くの企業が新規参入している電力小売業界。倒産しないとは言い切れないのが実情です。

ただ、契約している企業が万が一倒産してしまった場合も、大手電力会社から電気が供給されます。そのため、電気が使えなくなるということにはなりません。新しく契約する電力会社を探すという手間が増える程度と言えるでしょう。

「何となく」で選ばないことが大切

いかがでしたか?簡単にですが、新電力のことが分かっていただけたと思います。

何となく良さそう、で乗り換えると失敗する可能性が大きい新電力。ですが、選択肢が広がるのは私たち消費者にとってはメリット大。だからこそ、内容を理解して、乗り換えて良かった! と思えるような電力会社を選びたいですね。

新電力の選び方はこちらを参考に

新電力会社シェアトップ15社の電気料金を比較しています。

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