電力の自由化が始まったことに伴って、多くの企業が新電力として参入しました。料金が安くなるメリットはあるけれど、本当に安心して使えるの?と心配もありますよね。ここではそんな新電力に対する疑問に答えます!
目次
完全な売り手市場だった電力業界
これまで私たちは、東京電力や関西電力といった地域電力会社からしか電気を買うことができませんでした。電気は水道やガスと同じように、私たちが安心して生活するために重要なインフラ。そのため、民間会社でありながら、国から保護されてきたんです。
他に参入する企業がないということは、価格競争がおきないということ。電力会社の事情により電気代は変動し、私たちはそれに従うしかありませんでした。東日本大震災による原発事故の影響で原子力発電所が停止した際、火力発電所の燃料費高騰などで電気代が上がったことは記憶に新しいと思います。
つまり、電力業界は完全な売り手市場だったわけです。
自由化により「電気を選ぶ時代」に
電力自由化がスタートしたことで、政府の登録を受けた様々な企業が電力業界に参入。独自の料金プランやサービスを展開することで、価格競争も激しくなりました。私たちも選択肢が増え、自分たちで好きな会社やプランを自由に選べるように。
ただ、ここで気になるのが安心して使えるのか?ということ。停電の心配や、発電できなくなった場合や会社が倒産した場合にどうなるの?といろいろ不安ですよね。
停電の心配はないの?
今までは地域電力会社から安定して供給されていた電気。新電力に乗り換えて停電が増えたりしないの?と心配になりますよね。
結論から言うと、停電が増えることはありません! これまでと変わらず、電気は安定して供給されるので心配無用です。
会社を変えても電気が届く仕組みは変わらない
私たちの家庭に電気を届けてくれる、送電網。電力自由化をきっかけに新電力に変えても変えなくても、これまでと同じ送電網を使って電気は届けられるのです。
あまり知られていないかもしれませんが、電気を作る発電部門は既に自由化されています。そのため、地域電力会社以外の企業も発電をしているんです。そして、発電事業者が発電した電気は、全て同じ送電網を流れて消費者のもとへ。1つの送電網には、様々な会社が発電した電気が一緒に流れているんですね。
つまり、東京電力と契約しているから東京電力が発電した電気のみを使っている、というわけではないんです。この仕組みは電力自由化がスタートしても変わらないので、ある特定の会社と契約している家だけが停電している、なんてことにはならないんです。
発電所でトラブルが起こっても同様に停電しない
同様に、契約している電力会社の発電所がトラブルを起こして発電できなくなっても、電気が止められることはありません。送電網には他の会社が発電した電気が流れているためです。
停電の復旧も会社によって差が出るわけではない
では、災害や送電網のトラブルなどで停電してしまった場合の復旧はどうなるのでしょうか。
これも結論から言うと、契約先によって復旧にかかる時間に差が出るわけではありません。
電気を送るための送電網は、これまで同様に地域電力会社が管理します。そのため、特定の企業を利用している家庭だけがなかなか復旧しない、なんてことにはなりません。
電力会社が倒産したらどうなる?
電気は私たちの暮らしに欠かせないもの。だからこそ自由化が始まるまでは国によって保護されていたし、規制されていた業界だったわけです。
それが一変。電力自由化がスタートしたことにより、本当に多くの企業がこの業界に新しく参入しています。これまで電気を販売していた地域電力会社や、既に自由化が始まっていた工場などに電気を販売した実績のある企業はもちろん、今回初めて電気の販売を始める企業など、実に様々。こんなにたくさんの企業が参入して、本当に大丈夫?倒産したりしないの?と心配になりますよね。
実際のところ、倒産の可能性はゼロではありません。以前から工場などの大口需要家に電気を販売していた企業の中には、経営破たんしたところもあります。
と、不安をあおるようなことを書きましたが、心配はいりません。契約していた企業が倒産しても、停電したり電気を停められることはないんです。なぜなら、電力を販売する企業が倒産してしまった場合、東京電力や関西電力といった地域電力会社が代わりに電気を供給する仕組みになっているから。
そのため、契約先の企業が倒産してしまっても、これまでと同じように電気を利用することができるんです。
電気料金の支払いはどうなる?
では、倒産してから次の電力会社と契約するまでの間は、どこに電気料金を支払うのか、料金体系なども疑問ですよね。
まず、電気料金の支払先ですが、地域電力会社に一時的に支払うようになっています。料金体系については、あくまでも一時的なものということで自動的に「経過措置プラン」が適用されます。この経過措置プランは、電力自由化が始まる前に契約していた標準的な料金プラン。なので、場合によってはこれまでよりも割高な料金になることもあります。
新しい契約先が見つかれば、この経過措置プランによる支払いも終了。新しい契約先は、新電力でも地域電力会社の新プランでも、何でもOKです。
供給の仕組みはこれまでと同じだから、安心して利用できる
新しい制度がスタートすると、どうしても不安になってしまいますよね。電力自由化についても同じことがいえるでしょう。でも、新電力に変えたからと言って心配になることはないということが分かっていただけたかと思います。
様々なプランを展開する新電力。きっとあなたにもピッタリなプランがあるはずです。電気を効率的に使うことを意識すれば、省エネや節約にもつながります。これまで電気のことを意識せず使ってきた人は、電力自由化をきっかけに、電気のことを少し考えてみてはいかがでしょうか。
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