あなたは自宅の電気の契約容量を把握していますか?
電気の使用容量や電気料金にも関わる、契約容量。大きさによっては乗り換えに対応していない電力会社もあります。現在の契約容量の確認方法や変更方法など、契約容量について解説します。
目次
契約容量の確認方法
契約容量の確認方法① 検針票で確認
電力会社から毎月届く、検針票(電気ご使用量のお知らせ)。トータルの電気料金だけ確認して、あとはあまり見ない・・・なんて人もいるかもしれません。この検針票には電気料金の内訳など、様々な情報が記載されているんですよ。
このうち、「ご契約」「ご契約容量」といった項目(電力会社によって、項目名は異なります)の欄に記載してあるのが、あなたの契約容量になります。例えばここに「40A」とあれば、契約容量は40Aというわけです。
なお、契約容量の単位として最も多いのは「アンペア(A)」。オール電化住宅など、電気をより多く使う家庭の場合は「キロボルトアンペア(kVA)」となっている場合が多いです。
また、紙の検針票ではなくインターネットで確認している場合も、インターネット上で同じように確認することができます。
契約容量の確認方法② アンペアブレーカーで確認
自宅に設置されているブレーカーでも、契約容量を確認することができます。契約容量が数字で記載されていたり、色分けされているので一目で分かります。
なお、契約容量の詳しい記載方法については各電力会社(東電をはじめとした、自由化前に契約していた電力会社)で異なります。ブレーカーで確認する場合は、各電力会社のホームページなどで確認してください。
「アンペア」制でない地域もある
「アンペア」は契約容量の単位で最も多いと書きましたが、アンペア制でない地域もあります。従来の電力会社のうち、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力エリアでは、アンペア制をとっていません。
この4社以外の電力会社エリアに住んでいて、従量電灯プランを利用していれば契約容量がアンペア(オール電化などの場合はキロボルトアンペア)になっています。
契約容量=同時に使える電気の量
契約容量の単位である、アンペア。学校で習った記憶がある人もいるかもしれませんが、アンペアとは電気の流れる量(電流)を表す単位です。契約容量の大きさは、同時に使える電気の量を表しています。契約容量が小さいと同時に使える電気の量は少なくなり、逆に大きくなると一度に多くの電気を使えるようになります。
契約容量はどうやって決める?
契約容量を決める際は、あなたが同時にどれだけの電気を使うのか、ある程度把握しておくことが大切です。
電化製品を多く利用するのに容量を小さくしてしまうと、頻繁にブレーカーが落ちてしまう・・・なんて事態に。逆に、あまり電気を使わないのに容量を大きくしていると、ブレーカーが落ちることはないけれど、電気代が高くついてしまう可能性も。
アンペアは電流を表す単位ですが、次の計算式で求めることができます。
電流(A)=電力(W・ワット)/電圧(V・ボルト)
電圧は一般家庭であれば、通常は100Vである場合がほとんどです。
電力は電化製品によって異なります。電子レンジで「500W」や「600W」なんて表示を見たことがあるかもしれませんが、その数字が電力です。
600Wの電子レンジを使った場合の電流は、
600(W)/ 100(V)=6(A)
となります。
このように各電化製品の電流を計算してみて、同時に使う可能性のある電化製品の電流を合計したものが、契約容量の目安となります。
具体例として、冬の夕方にリビングと台所で電気を使っている場合を考えてみます。
このとき、
- テレビ(2.1A)
- エアコン(10畳用暖房・6.6A)
- 冷蔵庫(2.5A)
- 照明(2A)
- 電子レンジ(15A)
- 炊飯器(13A)
を同時に利用すると、合計41.2A。
つまり、契約容量50Aが目安となります。
(各製品のアンペア数については、東京電力エナジーパートナーHPを参考)。
契約容量を決める際は日常的な使い方ではなく、同時に最も多くの電気を使う時を想定することがポイントです。
平均的な契約容量は?
電気の契約容量として、一般的な目安では、
- ひとり暮らし:20〜30A
- 2人暮らし:30〜40A
- 4人暮らし:50〜60A
くらいだと言われています。
ガスを併用する一般家庭の場合なので、オール電化ではもっと大きな容量になるでしょう。
契約容量を変更したい場合はどうする?
契約容量は基本料金に関係していることが多いので、契約容量を小さくすることで電気代を節約できる場合があります。先ほどの計算方法で自宅のアンペア数を調べてみて、契約容量を変更したい! と思った方もいるかもしれません。
契約容量の変更は、各電力会社に連絡すれば行ってくれます。10A〜60Aの範囲で変更する場合、ブレーカーの交換作業は無料で、基本的に停電もありません。新電力でも変更の受付は行っていますが、交換作業自体は東電など従来の電力会社が行います。
なお、契約容量変更時の注意点として、契約容量を変更するとその後1年間は容量を変更できない点が挙げられます。そのため、同時に最も多く電気を使う時を想定して容量を決めることが大切です。
賃貸住宅でも変更できる?
賃貸住宅でも契約容量は変更できます。
ただし集合住宅の場合は全体での許容量が決まっている場合もあるため、契約容量を少なくすることはできても、増やすことはできないこともあります。
築年数の古い物件では壁に穴を開けたり、大掛かりな工事が必要になることもあります。不要なトラブルを避けるために、電力会社へ変更を依頼する前に、一応大家さんや管理会社に確認してみましょう。
契約容量が少ないと乗り換えられない新電力も
あまり電気を使わないからと契約容量を少なくすると、いざ電力会社を乗り換える際、希望通りに乗り換えられない場合があります。
新電力の中には、契約容量30A以上の場合に乗り換えられるといった制限があるところも多いのです。そのため、容量を下げると、乗り換え先の選択肢が少なくなってしまう可能性も。
電力会社を変えずに契約容量を下げるより、容量を下げずに電力会社を乗り換えた方が結果的に電気料金がお得になることもあります。ただやみくもに容量を減らせばいいというわけではないことも、頭の片隅に入れておいてくださいね。
新電力の選び方はこちらを参考に
⇒【決定版】新電力の選び方