スマートメーター
これまで月に1回の検針日にしか知ることができなかった電気使用量。電力自由化でメーターがスマートメーターに変わることで、使用量をリアルタイムに知ることができる「電気の見える化」も進んでいます。

これから「電気の見える化」はどこまで進んでいくのでしょうか。

電力自由化でアナログ式からスマートメーターへ

電力会社を乗り換えると、電気使用量を計るメーターがスマートメーターへ交換されます。

スマートメーターとは

東京電力エナジーパートナーのホームページには、「スマートメーターは、毎月の検針業務の自動化やHEMS等を通じた電気使用状況の見える化を可能にする電力量計です。」とあります。

これまでのアナログ式メーターでは、月に1度、電力会社の検針員が各家庭を回っていました。私たちはこのお知らせをもって、1か月間の電気使用量を知ることができていたわけです。
アナログ検針
しかし、これで知ることができるのは、あくまでも1か月間のトータルの使用量。いつ、どれくらい使っているかという、詳しい使用量までは分かりませんでした。スマートメーターではより詳しく、使用量を知ることができるようになります。

スマートメーターでできること

① 使用量を30分ごとに計測する

これまで月に1度だった使用量の計測ですが、スマートメーターでは30分ごとの計測となります。これにより、私たちはリアルタイムに電気の使用量を把握できるように。いつ、どれだけの電気を使用しているかが見えるようになるんです。
スマートメーター

電気使用量が見えるようになることで、より効果的な省エネができたり、使い方に応じた料金プランが利用できるようになります。

② 通信機能がついている

スマートメーターには通信機能がついているので、検針員による検針が不要になります。これまで、状況によっては立ち合いが必要だった検針や引越し時、アンペア変更時などの立ち合いが不要に。私たちの負担も軽減されます。

電力会社が進める「電気の見える化」

電力会社ではこのスマートメーターの機能を利用して、電気の見える化を進めています。

auでんきでは「auでんきアプリ」を提供

auユーザーが利用できるauでんき。auでんきでは、「auでんきアプリ」というアプリを提供しています。auでんきアプリでは、便利な機能が手軽に利用できるんです。

① 電気使用状況のお知らせ

アプリのプッシュ通知を利用して、電気使用状況などを簡単に知ることができます。ただし、スマートメーターが設置されるまでの間は、電気料金の確定通知が利用できます。

② 似ている家庭と電気の使い方を比較

auでんきに加入しているユーザーの中で、あなたの家庭とよく似た家庭と電気使用量を比較することができます。節電を意識しているけど、他の家庭と比べたらどうなんだろう?と思ったりすること、ありませんか?比較することで、あなたの家庭での使い方を見直したりすることもできますね。

③ あなたの家庭に適した省エネ方法をアドバイス

「すぐにできる」省エネ方法や「あなたへのおすすめ」、「はじめての節電」など、項目別に省エネ方法を知ることができます。

インターネットなどでも省エネ方法を知ることはできますが、ライフスタイルや家庭の状況によっては取り組みにくい場合もありますよね。項目が細かく分かれているので、無理なく取り組める省エネ方法が見つかりますよ。

なお、auでんき以外の電力会社でも、インターネットなどを利用した「電気の見える化」を進めています。

これから導入が進む!? HEMS

ところで、あなたはHEMSという言葉を知っていますか?HEMSとは、Home Energy Management System(住宅用エネルギー管理システム)のこと。電気をはじめとした家庭で使うエネルギーの使用量を見えるようにしたり、家電を自動制御したりすることができるシステムです。

現在、国の方針として2030年までにすべての住まいにHEMSを設置することを目指しています。
HEMSイメージ

HEMSのメリット

HEMSを導入することによるメリットとしては、やはり電気の使用量が分かるようになる(エネルギーの見える化)ことが挙げられます。リアルタイムで見えるようになることで、省エネにも取り組みやすくなります。

また、自宅にある電化製品との通信機能により外出先から操作したり、最適な状態に自動制御したりすることも可能。帰宅する少し前にエアコンの電源を入れて、帰った時には部屋が快適な状態になっている・・・なんてことも、できるようになります。

メーカーによってはゲーム感覚で節電に取り組めるようなものもあり、小さなお子さんと一緒に楽しく省エネに取り組むこともできます。

さらに、子どもの帰宅を知らせてくれたりする「見守り」機能がついた製品も。離れて暮らす高齢の家族についても利用できる機能なので、安心感も増します。

HEMSのデメリット

便利な機能が多いHEMSですが、メリットばかりではありません。

まず、導入するのに費用がかかる点。新築住宅の場合でおよそ25万円前後、リフォームの場合で20万円前後の設備導入費用がかかります。これに工事費用がかかったりもします。

さらに、HEMSで家電を制御するためには、「ECHONET Light」という通信規格に対応している電化製品であることが必須。

もちろん、従来からある電化製品の多くはこの規格に対応していません。HEMSを効果的に利用するためには、この通信規格に対応した電化製品に買い替えなければならないというわけです。

今後の普及や開発に期待したい「電気の見える化」

電気の見える化で、電力会社が提供するアプリのような手軽なものから、HEMSといった便利なシステムまで利用することができるようになりました。電気のみで考えると、今後、各電力会社がどんな「見える化」のサービスを提供するのかが気になるところです。

そこからさらに一歩進んだHEMSは、国の方針として全家庭に設置するという目標があるので、今後普及は進むことでしょう。普及が進めば、設置費用なども下がっていくことが予想されます。つまり、「今すぐ導入」というより、もう少し様子を見るのも良いでしょう。

省エネや最適な料金プラン選びに役立つ「電気の見える化」。今後の開発にも期待したいですね。