あなたがクルマによく乗るなら、電力自由化で節約できる電力会社として「石油系」の電力会社があります。

石油系の電力会社として定番の
「ENEOS」
「昭和シェル石油」
「東燃ゼネラルグループ」
の3社を徹底比較します。

1. 比較する3社はこんな会社

1-1.「ENEOSでんき」を提供するJXエネルギー

「ENEOSでんき」は、ENEOSのサービスステーションを運営している、JXエネルギーが提供。全国でおよそ11,000か所のサービスステーションを運営しています。

電力事業に関しては、2003年に業界に参入。これまで10年以上にわたって、オフィスビルや工場など大口の需要家に対して、電力の販売を行ってきました。自家発電設備も保有していて、2015年度の販売実績は約19億kWhにのぼっています。

1-2. 2つのプランを提供する昭和シェル石油

全国におよそ3,200か所のサービスステーションを持つ昭和シェル石油。

電力事業に関しては、2010年度から大口需要家に向けて販売を開始。東京ガスと共同で(株)扇島パワーを設立し、発電事業も行っています。

一般家庭向けには「ガソリンが10円/L安くなる電気」と「昼はもちろん夜に差がでる電気」の2つのプランを提供しています。

1-3.「myでんき」を提供する東燃ゼネラル石油

「myでんき」を提供するのは、エッソやモービル、ゼネラルといったサービスステーションを全国に3,400か所以上展開している東燃ゼネラル石油。

電力事業については、1994年から法人向けの電力販売をスタート。以来、20年以上にわたって電力販売を行ってきた実績があります。

「myでんき」が一般家庭用に提供するプランは…

  • 標準プラン:最も標準的なプラン
  • まとめてプラン:300kWh超過分の電力量料金がお得な電気を多く使う家庭向けプラン
  • たっぷりプラン:一定の使用量までは定額、それを超える分が従量制となっている料金プラン

の3つのプランです。

2. 供給エリアは?

今回比較する3社の供給エリアは、

  • ENEOSでんき:東京電力エリアのみ
  • 昭和シェル:東京電力エリアのみ
  • myでんき:東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリア

となっています。

3. 各電力会社の料金プランは?

では、気になる電気料金はどうなっているのでしょうか。今回は、東京電力エリアにおける電気料金を比較してみます。

3-1. 基本料金

まずは基本料金から見てみましょう。基本料金は電力使用量に関係なく、契約したアンペア数によって決まります。

【基本料金】

 ENEOSでんき昭和シェルmyでんき
昼はもちろん
夜に差がでる電気
標準プランたっぷりプラン
まとめてプラン
10A280.80円280.80円
15A421.20円421.20円
20A561.60円561.60円
30A842.40円842.40円817.13円842.40円
40A1,123.20円1,123.20円1,067.04円1,123.20円
50A1,404.00円1,404.00円1,333.80円1,404.00円
60A1,684.80円1,684.80円1,583.71円1,684.80円
6kVA以上280.80円/kVA280.80円/kVA263.95円/kVA280.80円/kVA

基本料金は「myでんき」の標準プラン以外、各社同じ金額です。「myでんき」では10A、15A、20Aの基本料金が設定されていないため、利用できるのは契約容量が30A以上の場合のみとなっています。

なお昭和シェル石油が提供する料金プランのうち、「ガソリンが10円/L安くなる電気」については、基本料金は設定されていません。電力量料金に含めて計算されます。

3-2. 電力量料金

次に、電力量料金について見てみます。電力量料金は、使用した電力量に応じて支払う料金です。

①ENEOSでんき

【ENEOSでんき】

電気使用量電力量料金
(税込)
最初の120kWhまで20.76円/kWh
120kWhを超え300kWhまで25.91円/kWh
300kWhを超える分25.75円/kWh

ENEOSでんきの場合は、東京電力の従量電灯Bと同じような考え方。シンプルなうえ、私たちにとってもなじみ深い料金設定となっています。

②昭和シェル石油

昭和シェル石油の場合、料金プランは2通り。それぞれ、電気料金の算定方法は異なります。

②-1.ガソリンが10円/L安くなる電気
【昭和シェル(ガソリンが10円/L安くなる電気)】

使用電力量算定方法 
0-100kWh1,952.00円+280.80×契約電流(A)÷10
または1,952.00円+280.80円×契約容量(kVA)
A
(定額)
101-200kWhの場合A+2,470.40円B
(定額)
201-300kWhの場合B+26.00円×(200kWhを超過し300kWhまでの使用電力量)C
301kWh以上C+30.02円×(300kWhを超過した使用電力量)D

こちらは、100kWhまでと200kWhまでの場合が定額になっています。電気をあまり使わない家庭の場合、割高になってしまう料金設定です。

②-2.昼はもちろん夜に差がでる電気
【昭和シェル(昼はもちろん夜に差がでる電気)】

  料金(税込)
デイタイム
(午前7時~午後8時)
〜100kWh19.91円/kWh
100kWh超〜150kWh23.22円/kWh
150kWh超〜27.32円/kWh
ナイトタイム
(午後8時~翌朝7時)
23.35円/kWh

こちらは昼と夜で料金が異なるプラン。昼間は使用量によって料金が異なりますが、夜間については使用量に関わらず一定の料金となっています。

③myでんき

myでんきの東京電力エリア向けプランには、標準プラン、たっぷりプラン、まとめてプランの3プランがあります。標準プランとたっぷりプランは、電気料金の算定方法もほとんど同じ。まとめてプランは定量制のため、少し異なっています。

③-1.標準プランおよびたっぷりプラン
【myでんき(標準プランおよびたっぷりプラン)】

電気使用量契約容量料金(1kWhあたり・税込)
標準プランたっぷりプラン
120kWhまで30A18.85円19.52円
40A・50A18.46円19.52円
60A18.26円19.52円
6kVA以上
50kVA未満
18.26円19.52円
120kWhを超え
300kWhまで
30A25.13円26.00円
40A・50A24.61円26.00円
60A24.36円26.00円
6kVA以上
50kVA未満
24.36円26.00円
300kWhを超える分
(たっぷりプランについては、300kWhを超え600kWhまで)
30A29.03円24.62円
40A・50A28.43円24.62円
60A28.13円24.62円
6kVA以上
50kVA未満
28.13円24.62円
600kWhを超える分契約容量に関わらず-25.67円
たっぷりプランのみ適用

標準プランとたっぷりプラン、似ているようですが異なります。

標準プランは契約容量によって従量料金が異なっているうえ、3段階の料金制。たっぷりプランは契約容量に関係なく従量料金は同じで、4段階の料金制となっています。

③-2.まとめてプラン
【myでんき(まとめてプラン)】

電気使用量料金(税込)  
まとめて300まとめて400まとめて500
最初の300kWhまで定額料金
6,372.00円
--
300kWhを超え
400kWhまで
1kWhにつき
29.12円
最初の400kWhまで定額料金
8,874.00円
-
400kWhを超え
500kWhまで
1kWhにつき
28.82円
最初の500kWhまで定額料金
11,376.00円
500kWhを超える分1kWhにつき
28.52円

まとめてプランでは、契約容量に関係なく一定の使用量までは定額となっているプランです。定額となる使用量は、300kWh、400kWh、500kWhのいずれかから選べます。

3-3. 割引やセット割の有無について

新電力の注目ポイントとして挙げられるのが、割引やセット割の有無。電力自由化がスタートしてから、単純に電気料金だけで比較するのは難しくなりました。今回比較する3社は、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。

①ENEOSでんきは2年契約やカード払いでお得に

ENEOSには、サービス内容が異なる3種類のENEOSカードがあります。このENEOSカードで「ENEOSでんき」の電気料金を支払うと、通常のENEOSカードの特典に加えてガソリンや軽油、灯油代が月150Lまで1円/L引きに。

ENEOSカードを利用していない場合でも、ANAカードやエポスカードといった6種の特別提携カードで支払うと、通常よりもお得にポイントが貯まる特典があります。

これらガソリンに関する割引は、東京電力管内のENEOSサービスステーションを利用した場合に適用となります。
ENEOSでんきの割引詳細

ENEOSカードも特別提携カードも持っていない! という場合は、Tポイントが貯まる特典あり。Tポイントの場合は200円(税抜)につき1ポイント貯まります。

なお、これらの3つの特典は併用不可なので、いずれか1つの特典のみ受けられます。

2年契約となる「にねん とく2割」を申込んだ場合は、最初の2年間、毎月の電気使用量1kWhにつき0.20円引きに。3年目以降は1kWhにつき0.30円割引になります。

②昭和シェルはプランによって異なる

昭和シェル石油が提供するプランのうち、「ガソリンが10円/L引きになる電気」はその名の通り、ガソリン代がお得になるプラン。契約時にクレジットカードを登録し、そのカードで給油すると毎月100Lまで10円/L割引になります。

登録するカードは昭和シェルのカード以外でもOKですが、昭和シェルのカードだと特典が上乗せされます。現金払いの場合でもPontaカードを登録すると、Pontaが貯まります。

また、電気使用量が600kWhを超えると「600kWhプレミアム割引」が適用に。1か月の使用電力量が600kWhを超えた場合、1kWhにつき1円、電気代が割引になります。これは申込み等不要で、自動的に割引となるサービスです。

「昼はもちろん夜に差がでる電気」の場合は、ガソリン代が1円/L引きに。「ガソリンが10円/L引きになる電気」も含め、ガソリン代の割引が適用されるのは、東京電力管内の昭和シェルのサービスステーションのみとなります。

③myでんきには特典など今のところナシ

myでんきについては、現時点でガソリン代の割引やポイントサービスといった割引・特典はありません。今後、新しいサービス提供に期待したいところです。

4. 手数料などはどうなっている?

いずれの会社も、申込み時の手数料は不要です。

解約時の手数料については、昭和シェル石油およびmyでんきについては、解約金や違約金は不要。ENEOSでんきでは、「にねん とく2割」を申込んでいる場合のみ、契約期間途中での解約の場合に違約金1,080円(税込)が必要です。供給エリア外への転居による解約についても、違約金が発生します。

5. 結局、どこがオススメ?

ここまで、電気料金や特典などを見てきましたが、結局、どこがオススメなのでしょうか。

5-1. 普段から車を利用している人や、特定のSSを利用している人

例えば、普段からENEOSを利用していて、ENEOSカードも持っているのであれば、やはりENEOSでんきがオススメ。昭和シェルも同様です。

特に、昭和シェルの「ガソリンが10円/L引きになる電気」はガソリンの値引率も大きいため、電気料金とガソリン代のトータルで考えると、お得になる可能性大です。

5-2. TポイントもしくはPontaを貯めている人

Tポイントを貯めている人ならばENEOSでんき、Pontaを貯めている人ならば昭和シェルといったように、ポイントで選ぶ方法もあります。

ただし、ENEOSでんきの場合はガソリンの特割といった他の特典との併用不可。毎月600kWh以上電気を使うような使用量の多い家庭であれば、電気料金も安くなって節約効果も高くなりますが、使用量が少ない場合は電気代が高くなる可能性大。

Tポイント目当てでENEOSでんきに乗り換えるのは、あまりオススメではありません。

5-3. 毎月一定量使うけれど、そこまでたくさん使うわけではない人

このような場合は、myでんきの「まとめてプラン」がオススメ。300kWh程度コンスタントに使うならば「まとめて300」など、使用量に応じてプランを選ぶことができます。

定量・定額制なので、電気をあまり使わなかった場合でも一定額支払わなければならないというデメリットはありますが、使用量がそう多くなくても電気代の節約が見込めます。ENEOSでんきや昭和シェルの場合、より電気を多く使う人ほどお得な料金設定となっているため、そこまで電気を多く使わない場合は「myでんき」がオススメです。

6. 電気料金の単純比較で決めるのは難しい

ここまで、3社の料金やサービスなどを見てみましたが、割引や特典がある以上、電気料金の単純比較だけで電力会社を決めるのは難しいのが実情。

ガソリンを毎月150リットル近く入れる人は、昭和シェルかエネオスがお得になります。

それ以外は、どれもそこそこお得ですが、決め手に欠けるという感じでしょうか。

新電力の選び方についてはこちらも参考に
【決定版】5分で分かる新電力の選び方