太陽光発電イメージ
自宅に太陽光発電を設置している人にとって、太陽光発電の電気を売電することは、大切な収入源の一つ。

では自宅の電力会社を変更したら、売電はどうなるのでしょうか。

電力自由化と売電の関係について見ていきます。

電気の購入先を変えても、売電先は変わらない

結論からいうと、電気の購入先を変えても、売電先は変わりません。

さらにいうと、あえて売電先もセットで切り替えると、電気代が安くなる新電力もあります。

電力自由化が始まり、電気の購入先を自由に選べるようになりました。

地域によって決まっていた電力会社(地域電力会社)以外の電力会社(新電力)に乗り換えを検討している方も多いでしょう。

電力・ガス取引監視等委員会による「よくある質問」の中に、次のような文言があります。

問54.現在、家庭の屋根の上に設置している太陽電池で発電した電気を、固定価格買取り制度により一般電気事業者に購入してもらっています。電気の購入先を別の小売電気事業者に切り替えた場合、この買取りはどうなるのでしょうか。

答.電気の購入先を変更したとしても、太陽光発電設備により発電した電気の売電に係るこれまでの契約が変わるわけではありません。

文中の一般電気事業者とは、地域電力会社のこと。

つまり新電力に乗り換えたとしても、売電契約は変わらず継続するというわけです。

これなら、安心して新電力に乗り換えることができますね。

売電先を切り替えて電気代が割引になる電力会社

新電力のシェア11位「Looopでんき」では、売電先をセットで切り替えることで電気代が割引になります。

Looopでんきは、新電力でも電気料金が安いのですが、売電もセットで契約すると、さらに1kWhあたり1円の割引に。

詳しくはこちら
Looopでんきの詳細

いまさら人に聞けない、太陽光発電とは?

最近、屋根などに太陽光発電パネルを設置している住宅をよく見かけるようになりました。そもそも、太陽光発電とはどういう仕組みで発電しているのでしょうか。

太陽の光から電気を作り出す太陽光発電

太陽光発電とはその名の通り、太陽の光から電気を作り出すもの。太陽電池などの機器を使い、太陽から降り注ぐ光のエネルギーで発電するシステムです。

もちろん、太陽の光を利用しているので、天気が悪くて日射量が少ない日や夜間には発電できません。しかし、石炭など有限の化石燃料と違い、エネルギー源は実質無限。二酸化炭素といった温室効果ガスも発生しない、自然環境に優しい発電方法なのです。

設置費用はかかるが、売電収入が得られる

太陽光発電を始めるには、さまざまな機器の設置が必要。機器の設置費用がかかります。メーカーやパネルの大きさにもよりますが、個人宅に設置する場合は概ね100〜200万円程度が相場です。

初期費用が意外と高い! と思うかもしれませんが、一度設置すれば一定期間(10年または20年)は売電収入を得ることが可能。これは、国の「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(以下、固定買取価格制度)」に基づくものなんです。

固定価格買取制度とはどんな制度?

では、固定価格買取制度とは、どんな制度なのでしょうか。

資源エネルギー庁のホームページによると、「再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度」とあります。

ここでいう再生可能エネルギーとは、太陽光・水力・風力・バイオマス・地熱の5つ。個人住宅で設置している太陽光発電もこの再生可能エネルギーに当てはまるので、電力会社が買い取ってくれるというわけです。

容量によって制度が異なる

固定価格買取制度では、発電設備の設置容量によって制度が2つに分かれています。

設置容量が10kw未満の場合

設置容量が10kw未満の設備を「住宅用」と呼び、自分で消費した後の余剰電力のみが買取の対象になります。これを余剰買取制度と呼びます。

設置容量が10kw以上の場合

この場合の設備は「産業用」と呼びます。個人で設置しているものでも、設置容量が10kw以上であれば「産業用」。逆に、法人などが設置していても設置容量が10kw未満であれば「住宅用」となるのです。

産業用の場合は、発電した全量を買い取ってもらう全量買取制度、もしくは、余剰買取制度のいずれかを選ぶことができます。

制度によって買い取り金額も違う

買取制度には余剰買取制度と全量買取制度の2つがありますが、買取価格や期間もそれぞれ違います。なお、買取価格は毎年変動していて、発電設備を導入した年度の買取価格が買取期間中継続されます。

ここでは、平成28年度の買取価格を掲載します。

余剰買取制度の買取価格

余剰買取制度の場合、買取期間は10年となります。また、買取価格はエリアによって2つに分かれています。

1.東京・中部・関西電力管内の場合

この3つの電力会社管内で売電した場合。余剰買取制度の買取価格は、31円/kWhとなります。

2.上記以外の電力会社管内の場合

次に、北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄電力管内で売電した場合。売電価格は2円上がり、33円/kWhとなっています。なぜ、こちらの方が買取価格が高くなっているのでしょうか?

実は、このエリア内では電力会社が買取れる量よりも多い電気が、太陽光発電により発電されているんです。電力会社はいくらでも電気を買取れるわけではなく、その量には限度がある、というわけなんです。

そのため、このエリア内の太陽光発電設備には、電力会社が買取りを拒否するための機器の設置が義務となっています。ただ、機器を設置するには費用もかかりますよね。この費用の不公平感をなくすため、エリアによって買取価格に差があるというわけです。

全量買取制度の買取価格

全量買取制度の場合、買取期間は20年。買取価格はエリアに関係なく、24円/kwhとなっています。

2017年度には固定価格買取制度が変わる

今回、太陽光発電に関する固定買取制度のことを書きましたが、実はこの制度、2017年4月1日から変わることが決まっています。
かなり難解なので、詳しくは資源エネルギー庁の公式サイトを参照下さい。