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電力自由化がスタートして、私たちは東電などの地域電力会社以外からも電気を購入できるようになりました。でも、一体どんな会社があるのか、よく分からないなんて人も多いのではないでしょうか。新電力にはどんな業種の企業があるのか、見ていきましょう。

ガス業界からは多くの企業が参入している

都市ガス、プロパンガスを問わず、多くのガス会社が電力小売業界に参入しました。ガスを利用しないオール電化住宅も増えてはいますが、ガスを利用する住宅の方がまだまだ多いのも事実。そのため、ガスと電気をセットにして割引になるプランも多く発表されています。

なぜガス会社が電気を?と思うかもしれません。実はガス会社、自社で発電施設を持っているところも多いんです。主力の発電方法はLNG火力発電。LNGとは液化天然ガスのことです。火力発電と聞くと環境に良くないと思いがちですが、LNG火力発電は石油や石炭に比べると、環境に対する負荷も少なくクリーンなエネルギーなんですよ。

ガス会社はLNGなどの燃料調達ルートがあり、発電施設も持っているので、電気を安定的に供給できるのです。また、ある程度の既存顧客がいるので、そういった顧客を対象に電気を販売していくと考えられます。

供給エリアが限定的な地域のプロパンガス会社では、ガス事業以外に宅配水やインターネットサービスを展開しているところも。そういった会社では他のサービスと組み合わせたセット割やトリプル割など、独自の料金プランを展開していたりします。

さらに、東北電力と東京ガスの提携など、これまで供給エリアが異なっていた企業同士が提携し、販売先を広げるといった動きも。ガス会社の動きにはこれからも注目です。

石油関連企業も多数参入

ガス会社同様に、燃料調達ルートと独自の発電施設を持っている石油関連企業も多く参入しています。参入の背景には、今後石油販売だけでは会社が生き残れないという点もあるでしょう。

また、以前から自由化がスタートしていた大口需要家への販売実績がある企業も。10年以上の販売実績を持つ企業もあります。新規参入と聞くと不安になることもありますが、実績があると聞けば安心できますね。

利用者にはガソリン代が割引になるといった特典付。普段利用するガソリンスタンドが決まっている人にとっては、嬉しい特典と言えるでしょう。ただ、車を持っていない人にとってはお得感は少なめ。また、ガソリンスタンド数にも差があるので、見極めることが大切です。

通信関連企業も参入

通信関連企業も携帯やインターネットとのセット割など、お得なプランを打ち出しています。既にあるポイントサービスが電気においても利用できたり、携帯電話代と電気代をまとめて支払えたりと、私たちの利便性もアップ。各社が持つ通信情報技術を生かした「電気の見える化」にも期待大です。

携帯電話やインターネットは、今や私たちの暮らしに欠かせないもの。既存の顧客も非常に多いので、有利な業界ともいえます。

意外?総合商社も参入している

総合商社と電気、なんだかピンとこない人が多いかもしれません。でも実は、総合商社と電気って関係があるんですよ。

まず、総合商社は燃料運搬事業を手掛けています。それだけでなく、資源の開発や発電所の設計、海外でのインフラ整備など、実は電気に関係する幅広い事業を行っているんです。

こういった事業で得たノウハウも生かし、電力小売事業に参入しています。

生協では組合員に向けて電気を販売

宅配事業でおなじみの生協も、電気の販売をスタートしました。現時点では大阪の1団体のみとまだ少なく、申込めるのは組合員のみ。供給エリアも限定的です。ですが、なじみの配送員が窓口なので安心感は十分。申込み・解約時の手数料も不要です。

生協を積極的に利用している人にとっては、ポイントなどの面からもメリットがある生協の電気。今後、他の生協などでも電気の販売が始まるのか、気になるところです。

住宅メーカーや電機メーカー

住宅メーカーの中には、自社の戸建て住宅購入者を対象にした独自プランを開発しているところがあります。電気代に応じてポイントを付与し、そのポイントは住宅の修理やリフォーム費用に充てることが可能。住宅の選び方が変わりそうですね。

また、電機メーカーは太陽光発電などの発電技術を持っています。今後、家庭用の太陽光発電設備などとセットになったプランが発表される可能性も。住宅メーカーと電機メーカーが提携し、さらにお得なプランが開発されることも考えられます。

地方自治体も電気を供給

新電力はなにも民間企業だけではありません。自治体の中にも独自に電力会社を立ち上げ、発電・供給しているところがあるんです。

自治体による電力会社から電気を供給してもらえば、電気の地産地消につながります。自治体内に電力会社があることで雇用の創出につながり、人口流出にも歯止めをかけることができます。

また、住民向けサービスを拡充したり、水道料金とセットになったお得な料金プランなど、自治体ならではサービスを提供することも可能。新たな「まちの魅力」や「地方創生」にも繋がるんです。

自分が暮らしている自治体から供給される電気、目には見えなくてもなんだか愛着が湧きそうですよね。

選択肢が多いからこそ、しっかり検討しよう

今回挙げた業種以外からも、電力小売業界には多くの企業が参入しています。その全てを比べることは、事実上不可能! ですが、多種多様の企業があるからこそ、上手に選べば生活全体をお得にすることも可能なんです。

ついつい料金にだけ目がいきがちですが、内容までしっかり吟味してあなたにとって最適な電力会社を見つけてくださいね。

新電力の選び方はこちらを参考に

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